コブダイ 目指せBIG ONE!編 (5)

2020年6月10日

コブダイのパワーに圧倒され続け、
ついに夕まずめを迎える。

結果はここまで1匹だけだったが、
アタリは多数。
しかし、先ほどの息子をKOしたモンスターに
本日の引導を渡されたような空気が流れる。

息子はやや満足したようで、最後に
無限スリットに向かう。

ボチボチ潮時かな。
「いつまでやりましょかー」
と僕。

「キリのええとこで17時ごろですかね?」
とTさん。

ノーサイドの時は決まった。
そこまでは全力で戦う。

そういえば•••
最初にコブにチャレンジした時に
色々教えてくれた兄さんが

「コブは一回バラシてもまた食ってきますよ」

と言っていたのを思い出す。

ダメ元で、朝アタリのあった場所に挑む。

息子に渡していた最強タックルをそこに
セットすることに。

残っていたオキアミをガンガン撒く。
この撒餌でお腹いっぱいになりそうだ。(^-^;

時は16時50分。
いよいよ終わりが迫る。

「そろそろ片付けなあかんなー。。。
 それにしても今日はすごかったなぁ。。」
とやや遠い目になる。

その時、何かが動いた気がした。
「ん?」

竿先がわずかに揺れたか?

「ニュ、ニューーー」

竿先がスローモーションで絞り込まれる。

いつか見たデジャブ。

いったいどこだっただろうか。。。

あ、今朝みたやつやんか。

なーんや•••

「•••今朝見たやつだと!?」

正気に戻ったその瞬間

「ドギューーーーーーーーーーーン」

竿が一気に絞り込まれる。

まさか。

漫画のように。

このタイミングで。

ヤツが再び来た!!!

緊張で息が止まる。
間違いないラストチャンス。

両手で竿を握り締める。

息を止めたまま、コブのアゴを外す殺意を
込めて魂のアワセを入れる。

「ガッチーーーーン!!」

その瞬間、一気に底に突っ走る。

「乗ったーーーーーー!」

気合を込めて叫ぶ!

この後の展開はいやというほど今日見てきた。
シミュレーションはバッチリだ。

兎に角、根にはいられないようドラグは
フルロック。

のされない様に中腰の状態でひたすら耐える。

この、「ひとのし」さえ耐えられれば
未来がある。

タックル的には切られはしないハズ!と
ただただ信じる。

一向にヒキが止まらない。
いつになったら止まるのか?
あかん、腕が痺れてきた。。。

•••一体どれくらいの時間耐えただろうか。
多分時間にしたら1分も経っていないの
だろう。

しかし僕には、学生時代授業中に寝ていて
先生に当てられた時の沈黙と同じくらい、
とてつもなく長い時間に感じられた。

ようやくコブのノシが止まる。

「勝負!」

ゴリ巻きを開始すると徐々に上がってくる。

少し巻けたかと思うとまた突っ込み出す。
しかし、今回はワンサイドゲームじゃない。
対等に戦えている。

思わず僕は叫ぶ。

「Tさん、これ獲れそうですわ!」

そこからも一進一退が続く。

巻いても巻いても姿が見えない。

ガチガチのフルロックのドラグが
走った瞬間だけは出される。

両手が限界に近づいている。

足はおそらく背伸びをしたままなんだろう。

ギャラリーも増えてきた。

絶対バラされへん。
嫌な汗がでる。

しかし、そんな永遠の様な時間に
終わりが近づいてきた。

澄んだ淡路島の海の底に赤黒い影が
見えたのである。

「浮いてきた!もう一息っすよ!」
タモを構えたTさんが声を掛けてくれる。

最後の力を振り絞る。

「デッカーーー」

ガシラを釣っていた息子が戻り、
駆け寄るなり叫ぶ!

一気にリフトアップする

阿吽の呼吸でTさんがタモ入れを決める。

「やった! ついにやった!!」

オデコニョーン、
アゴアイーンの軍艦コブや!

手と足の震えが止まらない。

時間は17時を回ったところ。

ノーサイドだ。

最後にまさかのドラマが待っていた。

サイズは70センチアップ。

先に釣れた45センチのコブダイが
小さく見える。

しかし、ドラマはまだ終わらない。

今回はガッチリ、かんぬきにかかっていた針を外す。

フィッシュグリップでアゴを掴み、見事な
歯を覗いていると。。。

「…? ん」

「針があるぞ?」

コブダイの喉奥にまだ真新しい針が見える。

「Tさん、このコブダイ、ヌシですわー。」
「誰かの針、切ってますわ」

「マジっすか?」

Tさんもコブダイの口を覗くと。。

「これ、僕の針ですわ!」

よく見ると特徴的な環付き針。
しかも、ハリスが全く付いていない。

「あ、今朝、ハリス抜けたヤツですか!?」

「間違いなくそうですわー!」

これには2人で大笑い。

「仇とったでTさん!」
 といいエンディングとなった。

。。。ただその傍らで、凹んでいる者が1人。

「それ、僕の竿やんかー」

そう、仕留めたのは息子の竿であった。

息子よ、かの名監督も言ってたぞ。

「諦めたらゲームセットですよ?」と。

最後まで粘る事が結果に繋がることも
示せた教育上も?最高の釣行となった。

それにしても淡路島のポテンシャルは
半端ない。

また近々挑戦することを誓い、納竿とした。